そもそもフリースクールとは?心理的ケアとの関係
これまでも紹介している通り、フリースクールとは、「学校に行かない」という選択をした子どもたちが、自分らしく学び、安心して過ごせるもう一つの居場所・学び場です。日本全国に多数存在し、標準化された形はないため、スタイルも支援内容もさまざまなのが特徴です。
その中で「心理的ケア」に力を入れているフリースクールは、本人の内面に深く向き合い、不安や葛藤に向き合いながらも本人が自分らしくいられるためのサポートをしています。
フリースクールが大切にしている「安心感」と「受容感」
- 「言葉にならない気持ちを分かろうとしてくれる人」がいる場所
- 「無理しなくていい」「自分のままでいていい」と感じられる空気
フリースクールで行われている・起こっている心理的ケア

- 心理の専門家による個別サポート
- 多様な交流
- 自己理解・自己表現を支える活動
- 安心できる・受け入れられると感じられる空間
専門家による面接だけが心理的ケアに当たるわけではありません。確かに1対1で話すことで自分の感じていること・考えていることを見つめ直し、自分自身を受け入れていく過程の一助となることでしょう。しかし、フリースクールではそれだけでなく、異年齢の多様な人との交流があることも大きな特徴です。皆それぞれ異なる背景をもち、大なり小なり悩みを抱え(フリースクールに来ている子どもたちに限りません)、自分らしくいられる居場所を模索しているのです。筆者がこれまでに出会った少なくない子どもたちが、「同じ悩みを抱えている人と会いたい」と口にしていました。もちろんこれは、不登校かどうかなどに関わりません。
こうした個別のサポートと多様な交流、そして日々の活動すべてが相互に絡み合って、「安心できる・受け入れられている」と本人が感じられる場所となることでしょう。そして、この空間で過ごす時間そのものが、最も大きい「心理的ケア」となります。
「まだ大丈夫」ではなく「早めの相談」を
本人も「うまく言葉にできないけれど、何だか辛い」と感じていることが多く、SOSを出すのが難しい時もあります。だからこそ、小さな違和感をきっかけに相談につなげることが重要です。早い段階で関わることで、本人に合ったサポートを早期に考えていけるといいでしょう。

心理的ケアを重視するフリースクールが支える「次の一歩」
「安心~回復〜成長」の流れを大切にしている
- 心が回復して初めて、次のステップへと思いを向けられる
- 今の安心が「創造」されることで、未来を「想像」することができる。
子どもの未来を一緒に考える伴走者の存在
- 一人一人に合わせた進路を一緒に考えていくこと
- そのために、個々の思いを尊重しながら、今できることを一緒に考えていくこと
まとめ|本人にとって「心から安心できる場所」を選ぶということ

心理的ケアを重視することで、子どもの心に寄り添い、自分自身を少しずつ取り戻す時間が提供されます。
大切なのは、「本人に合うかどうか」「ここでなら前を向けそうか」という視点でその場所を選ぶこと。そして、まずは一度見学や相談を通して実際の雰囲気を感じてみることが不可欠です。
ご本人とご家族にとって、心から安心できる居場所がきっと見つかるはずです。