子どもに「学校に行きたくない」と言われたら|保護者が最初にできること

「学校に行きたくない」と子どもから突然言われたら、「何があったの?」「このまま休ませて大丈夫?」「無理にでも学校へ行かせたほうがいいのでは?」と戸惑ってしまうのは、決して不思議なことではありません。

特に、これまで問題なく学校へ通っていた子どもから言われた場合には、保護者としてもどのように対応すればよいのか分からず、不安を感じることもあるでしょう。

子どもが「学校に行きたくない」と感じる背景には、友人関係や勉強、先生との関係、集団生活への疲れなど、さまざまな要因が考えられます。また、子ども自身が「なぜ学校に行きたくないのか」をうまく言葉にできないこともあります。

大切なのは、すぐに原因を突き止めたり、登校させたりすることだけではありません。まずは子どもの気持ちを受け止め、安心して話せる環境をつくることが、その後の支援を考えるうえでの第一歩になります。

この記事では、子どもが「学校に行きたくない」と感じる背景や、保護者が最初にできること、避けたい対応について解説します。さらに、状態が続いた場合に考えられる相談先や、フリースクールなど学校以外の居場所についても紹介します。

子どもが「学校に行きたくない」と言うのは珍しいことではありません

子どもが「学校に行きたくない」と言うと、「学校に行くのは当たり前なのでは」「このまま休み続けたらどうしよう」と心配になるかもしれません。

しかし、学校に行きたくないと感じること自体は、決して珍しいことではありません。

学校では、勉強だけでなく、

  • 友達との関係
  • 先生との関わり
  • 集団での活動
  • 時間割に沿った行動

など、さまざまなことが求められます。そのため、子どもによっては学校生活の中で心身に負担を感じ、「今日は学校に行きたくない」と思うことがあります。

また、「学校に行きたくない」という言葉だけを聞いて、「怠けている」「甘えている」と判断することにも注意が必要です。

子どもにとっては、学校へ行くことそのものが大きな負担になっていたり、自分でもうまく説明できないつらさを抱えていたりする可能性があります。

「学校に行きたくない」という言葉の背景には、子どもからのSOSが隠れている場合もあります。まずはその言葉を否定せず、「何か困っていることがあるのかもしれない」と受け止めることが大切です。

「学校に行きたくない」はSOSのサインかもしれない

子どもが学校に行きたくないと感じているとき、そのつらさは必ずしも「学校に行きたくない」という言葉だけで表れるとは限りません。

例えば、登校前になるとお腹が痛くなったり、頭痛を訴えたり、朝起きられなくなったりするなど、身体の不調として表れることがあります。また、以前より元気がなくなった、好きだったことをしなくなった、イライラすることが増えた、家族との会話が減ったといった変化が見られる場合もあります。

こうした変化が見られたからといって、必ずしも学校が原因だと決めつけることはできません。家庭での出来事、友人関係、学習面、本人の性格や特性など、複数の要因が重なっていることもあります。

また、子ども自身が「なぜつらいのか」「何が嫌なのか」を整理できていないケースもあります。

そのため、「原因はこれだ」と早い段階で一つに決めつけるのではなく、普段の様子や学校での出来事などを含めて、子どもの状態をゆっくり見ていくことが大切です。

「学校に行きたくない」という言葉を、単なるわがままや怠けとして捉えるのではなく、「今、何か困っていることがあるのかもしれない」と考えてみる。それだけでも、子どもへの関わり方は変わってきます。

まずは子どもの気持ちを否定しないことが大切

子どもから「学校に行きたくない」と言われたとき、保護者としては「どうして?」「何があったの?」と理由を知りたくなるものです。

しかし、子どもがすぐに理由を説明できるとは限りません。

「友達と何かあった?」「勉強が嫌なの?」「先生に怒られた?」などと質問を重ねることで、子どもが「ちゃんと理由を説明しなければいけない」と感じてしまうこともあります。

まずは原因を探るよりも、「学校に行きたくないと感じているんだね」と、その気持ちを受け止めてみましょう。

例えば、

「学校に行きたくないくらい、何かつらいことがあるんだね」

「今は学校に行くのがしんどいんだね」

「話したくなったら、いつでも聞くよ」

といった声かけが考えられます。

大切なのは、すぐに解決策を提示することではなく、「自分の気持ちを話しても否定されない」と子どもが感じられることです。

もちろん、子どもの気持ちを受け止めることと、学校へ行くことについて何も考えないことは同じではありません。まず安心して話せる関係をつくったうえで、子どもの状態や気持ちを確認しながら、これからどうするかを一緒に考えていくことが大切です。

「学校に行きたくない」という一言の奥には、子ども自身もまだ言葉にできていない思いが隠れているかもしれません。焦って答えを出そうとせず、子どものペースを大切にすることから始めてみましょう。

子どもが学校に行きたくない主な理由

子どもが「学校に行きたくない」と感じる理由は、一人ひとり異なります。

友達との人間関係や勉強、先生との関係など、学校生活の中に具体的なきっかけがある場合もあれば、いくつもの小さな負担が積み重なり、いつの間にか学校へ行くこと自体がつらくなっている場合もあります。

また、子ども自身が「なぜ学校に行きたくないのか」を明確に説明できないこともあります。

そのため、「理由を聞けばすぐに分かる」と考えるのではなく、子どもの普段の様子や学校での過ごし方なども含めて、さまざまな可能性から考えていくことが大切です。

ここでは、子どもが学校に行きたくないと感じる主な理由を紹介します。

友達との人間関係

学校生活では、友達との関係が大きなストレスになることがあります。

例えば、仲間外れにされた、友達から嫌なことを言われた、グループの中で気を遣い続けているなど、表面的には大きなトラブルに見えなくても、本人にとってはつらい経験になっていることがあります。

また、「友達と仲良くしなければならない」と考えるあまり、相手に合わせすぎてしまったり、自分の意見を言えなかったりする子どももいます。友達との距離感をうまくつかめず、人との関わりそのものに疲れてしまうケースもあります。

最近では、SNSやメッセージアプリなど、学校の外でも友人関係が続くことがあります。学校から帰った後も友達とのやり取りを気にしてしまい、気持ちが休まらないということもあるでしょう。

このように、友達との間に明確なトラブルがなくても、人間関係に気を遣い続けることが子どもにとって大きな負担になっている場合があります。

勉強への不安やプレッシャー

勉強に対する不安やプレッシャーも、学校へ行きたくないと感じる理由の一つです。

  • 授業についていくことが難しい
  • 宿題が多くて負担に感じる
  • テストで思うような点数が取れない

など、学習面でのつまずきが続くと、「学校へ行っても分からない」「また失敗するかもしれない」と不安を感じることがあります。

また、周囲の友達と自分を比べたり、成績について保護者や先生から期待されたりすることで、本人が強いプレッシャーを感じている場合もあります。

特に、真面目で頑張り屋の子どもほど、「できない自分」を責めてしまい、失敗することへの不安から学校へ行くことが苦しくなることもあります。

「勉強ができないから学校に行きたくない」と本人が明確に話す場合だけでなく、学習面でのつまずきが、自己肯定感や学校への苦手意識につながっている可能性にも目を向けることが大切です。

先生との関係

先生との関係が、学校へ行きたくない気持ちにつながることもあります。

先生との相性が合わない、指導の仕方が自分には合わない、注意されることが怖いなど、子どもが先生との関係にストレスを感じているケースです。

大人から見ると「先生は子どものことを思って指導している」と感じる場合でも、子どもにとっては、その言葉や関わり方が大きな負担になっていることがあります。

また、困ったことがあっても「先生には相談しにくい」「話しても分かってもらえない」と感じていると、学校で安心して過ごせなくなってしまうこともあります。

先生との関係について子どもから話があった場合は、すぐに「先生はそんなつもりではない」と否定するのではなく、まずは子どもがどのように感じているのかを聞いてみることが大切です。

集団生活への疲れ

学校では、授業だけでなく、朝の会や給食、休み時間、行事、掃除など、一日の多くの時間を集団の中で過ごします。

そのため、集団で行動することが苦手な子どもにとっては、学校生活そのものが大きな疲れにつながることがあります。

例えば、

  • 周囲に合わせて行動することが苦手
  • 大勢の人がいる場所では落ち着かない
  • 教室の音や人の声など、さまざまな刺激に疲れてしまう
  • 常に誰かと一緒にいることに疲れる
  • 一人で静かに過ごす時間が必要

といった特徴がある場合です。

本人にとっては「嫌なことがある」というよりも、毎日の学校生活の中で少しずつ疲れが蓄積しているのかもしれません。

そのため、学校から帰ってくると極端に疲れている、休日になると元気になるといった様子が見られる場合には、学校でどのような時間を過ごしているのか、子どもの視点から考えてみることも大切です。

発達特性や感覚の違いが影響している場合もある

子どもによっては、発達特性や感覚の違いが学校生活での困難さにつながっている場合もあります。

人とのコミュニケーションや集団での活動、予定の変更などに負担を感じることや、集中を続けることや忘れ物、時間の管理などで困難を感じ、それが学校生活への苦手意識につながることなどもあります。

また、音や光、におい、触感などの刺激を強く感じる「感覚過敏」がある場合、本人にとっては周囲が気にならないような刺激が大きな負担になることもあります。

学習面についても、読み書きや計算など特定の領域で困難を感じていることで、授業についていくことへの不安が強くなる場合があります。

ただし、こうした様子があるからといって、「学校に行きたくない=発達障害」と決めつけることはできません。

子どもの行動や困りごとには、本人の特性だけでなく、学校環境や人間関係、これまでの経験など、さまざまな要素が関係しています。

「発達特性があるかどうか」を急いで判断するよりも、まずは**「この子は学校生活のどのような場面で困っているのだろう?」と考えること**が大切です。

必要に応じて、スクールカウンセラーや心理士、医療機関などの専門家に相談しながら、子どもに合った環境や支援の方法を考えていくこともできます。

保護者が最初にできる5つのこと

子どもから「学校に行きたくない」と言われたとき、保護者としては「どうすれば学校に行けるようになるのか」と考えてしまうかもしれません。

しかし、最初から問題を解決しようとする必要はありません。

まず大切なのは、子どもが「自分の気持ちを分かってもらえる」と感じられる安心できる関係をつくることです。

学校に行きたくないほどのつらさを抱えているときに、「どうして行けないの?」「明日は頑張って行こう」と言われ続けると、子どもは自分の気持ちを話しにくくなってしまうことがあります。

すぐに答えを出そうとせず、子どもの状態を見ながら、一つずつできることから始めてみましょう。

① 子どもの話を最後まで聞く

まずは、子どもが話したいことを最後まで聞いてみましょう。

保護者としては、「こうしたほうがいい」「それなら学校に相談してみよう」と、すぐにアドバイスしたくなるかもしれません。

もちろん、子どものためを思ってのことですが、子どもが求めているのは解決策ではなく、ただ自分の気持ちを聞いてほしいということもあります。

例えば、「学校に行きたくない」と言われたときに、

「どうして?」
「何が嫌なの?」
「そんなことを気にしなくても大丈夫だよ」

とすぐに質問やアドバイスを重ねるのではなく、

「そう思っているんだね」
「何かつらいことがあるのかな」
「話したくなったら聞くよ」

と、子どもの話を受け止めることから始めてみましょう。

子どもが話している途中で原因を判断したり、解決策を提示したりせず、まずは最後まで聞くことを意識します。

「この人になら自分の気持ちを話しても大丈夫」と子どもが感じられることが、支援の第一歩になります。

② 理由を無理に聞き出そうとしない

「学校に行きたくない」と言われると、「何があったの?」と理由を知りたくなるものです。

しかし、子ども自身も「なぜ学校に行きたくないのか」を整理できていないことがあります。

例えば、友達との関係、勉強への不安、集団生活の疲れなど、いくつもの小さな負担が重なっている場合、本人にも明確な理由が分からないことがあります。

また、つらい経験をしたばかりで、まだ言葉にできないということもあります。

そのため、何度も「理由を教えて」と聞いたり、「学校で何かあったんでしょう?」と答えを誘導したりすることは、子どもにとって負担になる場合があります。

すぐに理由が分からなくても、焦る必要はありません。

「今は話したくないのかもしれない」と考え、子どもが話したくなったときに話せる環境をつくっておくことも大切です。

原因を急いで見つけることよりも、子どもが安心して気持ちを話せる状態をつくることを優先しましょう。

③ 「行かなきゃダメ」と決めつけない

子どもが学校に行きたくないと言ったとき、「学校は行くものだから」「休んだら勉強が遅れてしまう」と考えて、何とか登校させようとすることもあるでしょう。

学校生活を続けることを考えること自体は大切ですが、子どもが強い不安やストレスを抱えている場合には、無理に登校させることがかえって心身の負担を大きくしてしまうことがあります。

特に、朝になると腹痛や頭痛などの身体症状が出る、泣いてしまう、強い不安を訴えるといった状態が続いている場合には、まず子どもの状態を把握することが重要です。

「どうすれば学校に行けるか」だけではなく、

  • 「今、この子は何に困っているのか」
  • 「安心して過ごせる環境はどこなのか」
  • 「どのような支援があれば負担を減らせるのか」

という視点から考えてみましょう。

学校へ行くことだけを唯一の目標にせず、子どもの心身の状態を見ながら、その子に合った方法を考えていくことが大切です。

④ 家で安心して過ごせる環境をつくる

学校に行けない状態になると、「このまま家にいることが当たり前になったらどうしよう」と不安になる保護者もいるでしょう。

しかし、子どもが心身ともに疲れているときには、まず家を安心して過ごせる場所にすることも大切です。

例えば、学校へ行けないことを繰り返し責めたり、「今日は何をしていたの?」と過度に問いただしたりするのではなく、子どもが安心して過ごせる時間を確保してあげましょう。

その一方で、昼夜逆転が続くなど生活リズムが大きく崩れている場合には、睡眠や食事など、無理のない範囲で生活リズムを整えることも意識します。

また、ゲームや漫画、料理、音楽など、子どもが好きなことや夢中になれることも大切にしましょう。

好きなことをしている時間は、子どもにとって気持ちを落ち着けたり、自分らしさを取り戻したりする時間になることがあります。

「学校に行っていない時間=何もしていない時間」と考えるのではなく、子どもが安心して過ごし、エネルギーを回復するための時間として捉えることも大切です。

もちろん、家庭だけで全てを解決する必要はありません。子どもの状態に応じて、学校や専門機関などと連携しながら支えていきましょう。

⑤ 一人で抱え込まず相談する

子どもが学校に行きたくないと言ったとき、保護者だけで何とかしようとすると、保護者自身も疲れてしまいます。

「どう接すればいいのか分からない」「このままで大丈夫なのか不安」と感じたら、早い段階で誰かに相談してみましょう。

相談先には、例えば次のようなものがあります。

学校

まずは担任の先生に、現在の子どもの様子や家庭で気になっていることを相談してみましょう。

学校での様子を聞くことで、家庭では分からなかった子どもの変化や、友人関係、学習面などについて情報を得られることがあります。

スクールカウンセラー

スクールカウンセラーは、子ども本人だけでなく、保護者からの相談にも対応しています。

「学校に行きたくないと言っているけれど、どう接すればいいのか分からない」といった段階でも相談できます。

原因をすぐに特定することを目的とするのではなく、子どもの状態を整理しながら、今後の関わり方を一緒に考えていくことができます。

教育支援センター

教育支援センターは、不登校の子どもやその保護者を支援するための公的な機関です。

相談だけでなく、通所による支援や学習支援などを行っている場合もあります。自治体によって支援内容が異なるため、利用を検討する場合は地域の教育委員会などに確認してみましょう。

フリースクール

学校とは異なる環境で、子どもが安心して過ごせる居場所を提供しているのがフリースクールです。

学習だけを目的とするのではなく、他者との関わりや体験活動、自分の好きなことに取り組む時間などを大切にしているところもあります。

フリースクールによって、

  • 対象年齢
  • 活動内容
  • 通う頻度
  • 費用
  • 支援方針

などは大きく異なります。

そのため、利用を考える際には、子ども本人がどのような環境なら安心して過ごせそうかを考え、実際に見学や体験をしてみることも大切です。

保護者が一人で抱え込まず、子どもに合った支援先を一緒に探していくことが、次の一歩につながります。

保護者が避けたい対応

子どもが「学校に行きたくない」と言ったとき、保護者も「何とかしてあげたい」「早く元の生活に戻ってほしい」という思いから、さまざまな働きかけをするでしょう。

それは決して間違ったことではありません。

ただ、子どもの心身の状態によっては、保護者が良かれと思って行っている対応が、かえって子どものプレッシャーや負担につながってしまうことがあります。

ここでは、「学校に行かせること」だけを急ぐのではなく、子どもの気持ちや状態を大切にするために、保護者が注意したい対応について紹介します。

無理に登校させようとする

「学校には行ったほうがいい」「休みが続くと勉強についていけなくなる」と考え、何とか子どもを登校させようとすることは、保護者として自然な反応かもしれません。

実際に、声をかけたり説得したりすることで、その日は登校できることもあるでしょう。

しかし、子どもが強い不安やストレスを抱えている場合、一時的に学校へ行けたとしても、学校に行きたくないと感じている背景が解決されているとは限りません。

無理をして登校を続けることで、子どもがさらに疲れてしまったり、「つらくても我慢して学校へ行かなければならない」と感じたりする可能性もあります。

もちろん、学校へ戻ることを考えることが悪いわけではありません。

大切なのは、「どうすれば登校できるか」だけを見るのではなく、「なぜ学校へ行くことがつらくなっているのか」「今、子どもにはどのような支援が必要なのか」という視点を持つことです。

子どもの状態によっては、まず十分に休むことが必要な場合もあります。焦らずに子どもの様子を見ながら、その子に合ったペースを考えていきましょう。

他の子どもと比較する

「みんな学校に行っているよ」
「○○ちゃんは頑張っているのに」
「このままだと周りに遅れてしまうよ」

このように、他の子どもと比較することも、できるだけ避けたい対応の一つです。

保護者としては、「周りも頑張っているから、あなたも頑張ってほしい」という励ましの気持ちから言っているかもしれません。

しかし、学校に行けないことで本人も悩んでいる場合、他の子どもと比較されることで、「自分はみんなと同じことができない」「自分はダメなのかもしれない」と感じてしまうことがあります。

特に、すでに自信を失っている子どもにとっては、周囲との比較が自己肯定感をさらに低下させるきっかけになることもあります。

子どもの成長や状態は、一人ひとり異なります。

「他の子どもと比べてどうか」ではなく、**「今、この子は何に困っているのか」「以前と比べてどのような変化があるのか」**という視点で見てあげることが大切です。

怠けていると決めつける

学校に行かず、家でゲームをしたり、漫画を読んだり、好きなことをして過ごしている子どもの姿を見ると、「学校には行かないのに、遊ぶことはできるの?」と感じることがあるかもしれません。

しかし、外から見て元気そうに見えることと、学校へ行くための心身のエネルギーがあることは、必ずしも同じではありません。

学校では、授業を受けるだけでなく、人間関係や集団行動、時間の制約など、さまざまな負荷がかかります。

そのため、学校へ行くことは難しくても、自宅で好きなことをして過ごすことはできるという場合もあります。

また、子ども自身も「学校に行かなければいけないのに行けない」と悩み、葛藤していることがあります。

「怠けている」「やる気がない」と決めつけてしまうと、子どもが抱えている困りごとを見つける機会を失ってしまうかもしれません。

学校へ行けないという行動だけを見るのではなく、「本人も苦しんでいるのかもしれない」という視点を持つことが大切です。

まずは、「今、この子にとって学校へ行くことがどれくらい負担になっているのだろう」と考えてみましょう。

原因を一つに決めつける

「友達と何かあったから学校に行きたくないんだ」
「勉強についていけないからだ」
「先生との相性が悪いからだ」

というように、原因を一つに決めつけてしまうことにも注意が必要です。

子どもが学校に行きたくないと感じる背景には、学校での人間関係だけでなく、学習面、家庭での出来事、本人の性格や特性、心身の状態など、さまざまな要因が関係している場合があります。

例えば、もともと集団生活に疲れやすい子どもが、友達とのちょっとしたトラブルをきっかけに学校へ行くことが難しくなることもあります。

また、勉強についていくことへの不安があり、そこに友達関係の悩みや疲れが重なることで、学校へ行くことそのものが大きな負担になる場合もあります。

つまり、「これが原因」と一つに絞るよりも、学校・家庭・本人、それぞれの側面から子どもの状態を見ていくことが大切です。

原因を早く特定することよりも、「この子は今、どんなことで困っているのか」「どのような環境なら安心して過ごせるのか」を考えることから始めてみましょう。

もし保護者だけでは状況を整理することが難しい場合は、担任やスクールカウンセラー、心理士などに相談することも一つの方法です。

子どもの「学校に行きたくない」という言葉の背景を一緒に考えてくれる人を見つけることで、保護者自身の負担を減らすことにもつながります。

学校に行きたくない状態が続くときの相談先

子どもが「学校に行きたくない」と言い始め、その状態が続いている場合、「このままで大丈夫なのだろうか」「どこに相談すればいいのだろう」と悩む保護者も少なくありません。

学校に行けない状態が続いたからといって、必ずしも一つの相談先に決める必要はありません。

学校での様子を知りたいとき、子どもの気持ちを整理したいとき、学校以外の居場所を探したいときなど、その時々の子どもの状態や家庭の希望に合わせて相談先を選ぶことが大切です。

ここでは、主な相談先として「学校」「教育支援センター」「フリースクール」を紹介します。

学校(担任・スクールカウンセラー)

まず相談先の一つとして考えられるのが、現在通っている学校です。

担任の先生に相談することで、家庭では分からない学校での子どもの様子を確認できる場合があります。

例えば、

  • 授業中の様子
  • 友達との関わり
  • 休み時間の過ごし方
  • 学習面で困っていること
  • 最近見られた変化

などについて、学校側から話を聞くことができます。

また、学校によってはスクールカウンセラーに相談することもできます。

スクールカウンセラーは、子ども本人だけでなく、保護者からの相談にも対応しています。

「子どもにどう声をかければいいのか分からない」「学校に行きたくないと言われたけれど、どう対応すればいいのか」といった、保護者自身の悩みを相談することもできます。

学校と連携しながら子どもの状態を整理したい場合には、身近な相談先の一つです。

ただし、学校との関わり自体が子どもの負担になっている場合や、学校以外の環境が必要な場合もあります。

その場合には、学校だけに相談先を限定せず、他の支援機関についても検討してみましょう。

教育支援センター

教育支援センターは、主に不登校の子どもやその保護者を支援するために、各自治体が設置している公的な相談・支援機関です。

自治体によって名称や支援内容は異なりますが、教育相談をはじめ、子どもの通所による支援や学習支援、集団活動などが行われている場合があります。

「学校には行けていないけれど、少しずつ人との関わりや学習の機会を持ちたい」といった場合に、一つの選択肢になるでしょう。

教育支援センターとフリースクールは、どちらも学校以外で子どもが過ごせる場という点では共通していますが、運営主体や支援の考え方には違いがあります。

教育支援センターは自治体などの公的な機関であるのに対し、フリースクールは民間の団体や事業者などが運営している場合が一般的です。

また、利用条件や活動内容、費用なども異なるため、子どもや家庭の状況に合った場所を選ぶことが大切です。

教育支援センターについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

「教育支援センターって?|子どもと家庭に寄り添う公的支援」

フリースクール

学校に行きたくない状態が続いている場合、フリースクールも選択肢の一つになります。

フリースクールとは、学校とは異なる環境で、子どもが安心して過ごしたり、学んだり、人と関わったりするための居場所です。

ただし、フリースクールと一口に言っても、その方針や活動内容はさまざまです。

学習を中心に活動するところもあれば、子ども同士の交流や体験活動、好きなことに取り組む時間を大切にしているところもあります。

そのため、フリースクールを選ぶ際には、「学校に戻るための場所」という視点だけではなく、「この子が安心して自分らしく過ごせる場所か」という視点で考えることも大切です。

例えば、

  • 大人数の環境が苦手な子
  • 人との関わりに疲れている子
  • 学校とは違う環境で過ごしてみたい子
  • 好きなことや興味のあることを通して人と関わりたい子
  • 自分のペースで過ごせる居場所を探している子

などにとって、フリースクールが安心できる居場所になる場合があります。

また、学校へ戻ることだけを目標にするのではなく、まずは子どもが安心して過ごせる場所を持つことも大切です。

家と学校だけではなく、第三の居場所を持つことで、人との関わりやさまざまな体験を少しずつ取り戻していける子どももいます。

一方で、すべての子どもにフリースクールが合うとは限りません。

通う頻度や活動内容、スタッフとの関わり方、施設の雰囲気などはスクールによって異なります。そのため、気になるフリースクールがあれば、ホームページだけで判断せず、見学や体験を通して子ども本人がどのように感じるかを確かめてみることをおすすめします。

「学校に行けるようになるためにはどうすればいいか」だけではなく、「今、この子が安心して過ごせる場所はどこなのか」という視点から、子どもに合った環境を探してみましょう。

sunowでも、学校に行くことに不安を感じている子どもが、自分のペースで過ごせる居場所を提供しています。

東京都目黒区の一軒家という環境を活かし、少人数で一人ひとりの様子を見ながら過ごせることを大切にしています。

「フリースクールが子どもに合うか分からない」「まずは雰囲気を見てみたい」という場合も、見学や相談から検討することができます。

sunowのフリースクールの様子を見る

まとめ|焦らず、お子さんの気持ちに寄り添うことから始めましょう

子どもから「学校に行きたくない」と言われると、保護者としては「このままで大丈夫なのだろうか」「何とか学校へ行かせなければ」と不安になってしまうかもしれません。

しかし、学校に行きたくないと感じる背景には、友達との人間関係、勉強への不安、先生との関係、集団生活への疲れなど、さまざまな要因が考えられます。本人にも理由がはっきり分からない場合もあります。

今回の記事で紹介した大切なポイントを、改めて整理してみましょう。

  • まずは子どもの話を否定せず、気持ちを受け止める
  • 「学校に行かなければならない」と焦らず、子どもの状態を見ながら考える
  • 学校に行けないことを怠けと決めつけたり、他の子どもと比較したりしない
  • 保護者だけで抱え込まず、学校やスクールカウンセラー、教育支援センター、フリースクールなどに相談する

大切なのは、「どうすれば学校へ行けるようになるか」だけを考えることではありません。

「今、この子は何に困っているのだろう」「どのような場所なら安心して過ごせるのだろう」と、子どもの立場から考えてみることが、次の一歩につながります。

また、保護者だけですべてを解決する必要もありません。

子どもの学校生活や心身の状態について学校に相談したり、スクールカウンセラーや教育支援センターなどの専門的な支援につながったりすることで、状況を整理しやすくなることがあります。

学校とは別の場所で過ごすことを選択肢に入れるのであれば、フリースクールを見学・体験してみるのも一つの方法です。

フリースクールにはさまざまなスタイルがあるため、「学校に戻るための場所」という視点だけではなく、「子どもが安心して自分らしく過ごせる場所か」という視点で選ぶことも大切です。

もし今、お子さんの「学校に行きたくない」という言葉にどう向き合えばいいのか悩んでいるのであれば、焦って答えを出す必要はありません。

まずは子どもの気持ちに耳を傾け、できることから少しずつ始めてみてください。

そして、困ったときには一人で抱え込まず、周囲の人や専門機関に相談してみましょう。

子どもに合った居場所や過ごし方を一緒に探していくことも、大切な不登校支援の一つです。

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