「うちの子、最近学校に行きたがらなくて……」「毎朝泣いて嫌がるけれど、どうしてあげたらいいの？」そんな不安や葛藤を抱えていませんか？
現代では、「学校に行かない」という選択をする子どもが増えています。それは決して悪いことではありません。「自分に合う場所を選ぶ」という主体的な判断かもしれません。
sunow (スノー)では、「学校に行かない時間を味方に。」という理念のもと、子どもたちが自分のリズムで、自分らしい学びを育んでいける場を心がけています。この記事では、「フリースクールとは何か？」という基本から、実際の通い方や費用、選び方まで、初めての方にも分かりやすく解説します。
お子さんの居場所や学び方に悩んでいるご家庭、教育現場で支援を模索する先生方、そして「学校以外で学びたい」と思う子どもたちにとって、新しい可能性を見つけるきっかけとなれば幸いです。
フリースクールとは？意味・定義をわかりやすく解説
フリースクールの基本的な意味とは
フリースクールとは、「学校に行かない」という選択をした子どもたちが、自分らしく学び、安心して過ごせる民間の学び場です。法律上の明確な定義はありませんが、「学ぶ権利を保障する場所」「もうひとつの居場所」として、全国各地に存在しています。
学校（公教育）との違い
一般的な小中学校（義務教育）と異なり、時間割やカリキュラムに縛られず、子どもに合わせた柔軟な学びができます。評価やテストがないところも多く、子ども自身が学びの方向を選べるのが特徴です。
全国にどのくらいある？運営主体は？
公的な定義がないため正確な数は把握しづらいものの、各地域に多様なフリースクールが広がりを見せています。NPO法人や一般社団法人、教育系の企業、個人など、さまざまな主体によって運営されています。
フリースクールにはどんな子が通っているの
集団生活が合わない・環境を変えたいと感じている子どもたち
近年特に増えているのが、集団での学校生活が合わずに環境を変えたいと感じている子どもたちです。
実際に筆者が学校現場で会った子の中でも、集団のペースに合わせることに疲弊している子、学校までは行けても教室に入るのが難しいという子も多くいました。こうした子どもたちの中には「自分と同じ悩みを抱えている人と話したい」と思っている子が少なくありません。大人数では苦しいけれど、そこに確かに人との”つながり”を求める想いがある。
大勢の中での生活に息苦しさを感じたり、自分のペースで過ごせないことに強い苦しさを感じたりする子にとって、フリースクールの少人数で落ち着いた空間は大きな安心を生み出し、” つながり”を再起動させることでしょう。
不登校・登校しぶりの子どもたち
いわゆる「不登校」「登校しぶり」といわれる子どもたちです。学校に通うことに違和感を感じ、「行かない」という選択をした小中学生が多くいます。背景には、学習、人間関係（対友人、対先生）、家庭環境、学校の雰囲気など、さまざまな要因が複雑に絡み合っていることもあります。
フリースクールでは、「自分で来る日を決められる」「休んでも大丈夫」といった柔軟なスタイルの中で、子どもたちが自分のペースを取り戻し、再び学ぶ意欲を育てていくことができます。
学校以外で学びたいという希望を持つ子どもたち
最近では、型にはまらない学びを求めて、あえてフリースクールを選ぶ子どもたちもいます。「海外留学を見据えて自分の時間を持ちたい」「自分でプロジェクトを立ち上げたい」など、自分なりの目標をもって通う子も少なくありません。フリースクールは、学校に代わる“選べる学びの場”としての役割も果たしています。
フリースクールでできること：学習や活動内容の実態
学習支援（教科・個別学習・ICT活用など）
フリースクールでは、教科学習の補習や個別対応の学習支援が行われています。中にはICT（パソコンやタブレット）を活用して学ぶスタイルもあり、オンライン教材やeラーニングも取り入れています。子ども一人ひとりの関心やペースに合わせた学びが可能です。
社会性や自己肯定感を育む活動
学びだけでなく、人との関わりを通じた活動も大切にしています。たとえば、話し合いの時間、調理、創作活動、ボードゲームなどを通じて、他者と関わりながら「自分を好きになる力」や「人とつながる力」を育てていきます。
カウンセリングや心理的サポートの有無
心理士やカウンセラーが在籍しているフリースクールもあり、心のケアや家庭との連携も図っています。必要に応じて外部機関と連携することで、より専門的な支援が受けられる場合もあります。保護者の方の不安にも丁寧に寄り添いながら、共に歩んでいく体制が整っています。
フリースクールに通うメリット・デメリット
メリット（安心できる環境／自分らしさの回復／柔軟な学び）
- 子どもが「安心できる」環境で過ごせる
- 自己肯定感を育みながら、自分らしさを大切にできるようになる
- 学びのペースや内容を柔軟に選べる
- 好きなことを見つけたり、興味を深めたりする時間が持てる
- 異年齢の仲間との関わりで多様な視点が育まれる
デメリット（費用／進学への不安／制度上の課題）
- 公立学校と違い、費用がかかる（平均で月3〜6万円程度）
- 学校の「出席扱い」になるかどどうかは在籍校の判断となる
- 進学や将来の進路について不安を感じる方も
通うかどうか判断するためのチェックポイント
- 子どもが「行ってみたい」と思えるかどうか
- 保護者自身が「ここなら信頼できそう」と感じるか
- スクールの方針や雰囲気が家庭の考え方に合っているか
- 学びのサポート体制や心理的ケアが整っているか
フリースクールの学費・制度・卒業後の進路は？
フリースクールの費用相場と補助制度
フリースクールは民間で運営されているため、一般的な公立学校のように無償ではありません。費用はスクールによって異なりますが、月額でおよそ3〜6万円ほどが相場とされています。教材費や活動費が別途必要な場合もあります。
一部の自治体では、フリースクールに通う子どもへの助成制度を設けているところもあります（例：東京都の利用料助成金）。条件や金額は地域によって異なるため、事前に自治体の窓口やスクール側に確認しておくと安心です。
出席扱いや公的な位置づけについて
フリースクールに通うことが、学校の「出席」として認められるかどうかは、在籍校と教育委員会の判断によります。文部科学省の通知では、一定の条件を満たすことで出席扱いとすることが可能とされていますが、実際の運用は地域差があります。
そのため、通い始める前に、フリースクール側と在籍校との連携が取れるかどうかを確認しておくことが大切です。本人の意思と家庭の方針を尊重しながら、丁寧な話し合いを重ねていくことが望まれます。
中学卒業後の進路：高校やフリースクールでの継続、その後は大学や就労も
フリースクールには「卒業」という制度的な区切りはありませんが、中学卒業後の進路はそれぞれの子どもによって異なります。次のステップとして、例えば以下のような選択肢があります：
- 通信制高校・定時制高校への進学
- 専修学校への進学
- 全日制高校へ進学
- 引き続きフリースクールなど、安心できる環境での学びを続ける
フリースクールでの時間を通じて、自分の好きなことや得意なことに気づき、そこから進路につながっていく例も多く見られます。進学・就労の選択肢は一つではなく、それぞれのペースに合った道を模索していくことが大切です。
フリースクールの選び方と見学・体験のポイント
見学・体験時にチェックすべきポイント
フリースクールは、それぞれに特色や方針が異なります。事前に見学や体験に行き、実際の雰囲気を感じることがとても大切です。以下の点を意識してチェックしてみてください。
- 本人がリラックスして過ごせそうな空間か
- スタッフが丁寧に関わっているか
- 活動内容やスケジュールが本人に合っていそうか
- 施設の安全性や衛生面に不安がないか
親がよさそうだと感じても、最終的には本人が「ここに行ってみたい」と思えるかどうかが大切です。
本人との相性をどう見極めるか
フリースクールには明確な「合格」や「基準」があるわけではありません。見学や体験を通じて、本人が「ここなら安心して過ごせそう」と思えること、また、「通ってみたい」と自ら感じられることが何よりの指標になります。
焦らず、いくつかの場所を比較しながら、本人にとって「安心できる」「受け入れられる」環境かどうかを見極めていきましょう。
地域の支援団体・相談窓口の活用方法
フリースクールを検討する上で、地域の支援団体や教育相談機関に相談してみるのもおすすめです。教育支援センター（適応指導教室）や子ども家庭支援センター、NPO団体などは、学校以外の学び方や子育て支援に詳しいスタッフが在籍しており、保護者の不安や疑問に寄り添ってくれることが多いです。
またsunowでも、制度や助成の仕組み、進路の選択肢などについてご相談いただけます。初めての方にも分かりやすく丁寧にご案内しておりますので、気になることがあればお気軽にご相談ください。
制度や助成の情報、近隣のフリースクールの紹介など、思わぬ情報が得られることもあります。お一人で悩まず、周囲のサポートも活用しながら選んでいきましょう。
よくある質問（Q&A）
フリースクールに通うと学校は出席扱いになりますか？
在籍している学校や自治体によって異なりますが、フリースクールへの通所が「出席扱い」と認められる場合があります。文部科学省は、一定の要件を満たすことで出席として扱うことができる旨を通知しています。実際の運用には地域差があるため、フリースクール側と在籍校が連携しているかどうか、または可能かどうかを事前に確認することが大切です。
費用が高くて心配です。助成はありますか？
はい、一部の自治体では、フリースクールに通う子どもに対して助成金制度を設けているところがあります。例えば、東京都では「利用料助成金」が活用できます。お住まいの地域によって異なるため、フリースクールまたは自治体の窓口にお問い合わせください。sunow(スノー)でも、助成制度の申請に関するサポートを行っています。
本当に他の子とうまくやっていけるか不安です。
初めは不安を感じるのは当然のことです。フリースクールは少人数で落ち着いた環境が多く、一人ひとりのペースや個性が尊重されることを大切にしています。無理に誰かと関わる必要はなく、安心できるペースで少しずつ周囲とつながっていくことができます。
見学や体験を通じて、「ここなら大丈夫そう」と感じることができれば、それが 第一歩です。必要であればスタッフと一緒に不安を整理していくこともできますので、ひとりで抱え込まずにご相談ください。
まとめ：フリースクールは「自分らしくいられる学びの選択肢」
多くのフリースクールは、子どもたちが自分のペースで、自分らしく学び、過ごしていける環境づくりを大切にしています。
「学校に行けない」のではなく、「学校とは違う学び方を選んでいる」という前向きな視点を持つことで、子ども自身が少しずつ元気を取り戻し、未来への一歩を踏み出していく姿が多く見られます。
もちろん、最初は不安や迷いもあるかもしれません。ですが、その一歩を踏み出した先に、子どもたちの新しい表情や関係性、学びの芽が育っていく可能性があります。
私たちsunow(スノー)では、そうした一人ひとりの歩みを大切にしながら、安心できる居場所として、学びの選択肢のひとつをこれからも育てていきます。「今できること」を一緒に見つけていける場所。そして「これでいいんだ」と思える自分に出会える場所。こんな場所で過ごす時間そのものが力になり、将来をいきいき生きる土台づくりに。
もし、この記事を読んで少しでも興味を持たれた方は、どうぞお気軽に見学やご相談にお越しください。皆さんにとって、ここが「自分らしくいられる場所」となりますように。
