【WISC-V 指標解説⑤|処理速度】作業スピードと正確性?

このシリーズでは、WISC-Vを構成する5つの指標について解説しています。

※WISCについての概要と、すでに解説済みの指標についてはこちらをご覧ください。
WISC(WISC-V)とは?—子どもの得意・不得意がわかる心理検査の基礎と活用
【WISC-V 指標解説①|言語理解】言葉の理解力・説明力の特徴とは?
【WISC-V 指標解説②|視空間】空間認知・視覚パターンの認識とは?
【WISC-V 指標解説③|流動性推理】考える力・問題解決の力とは?
【WISC-V 指標解説④|ワーキングメモリー】情報を保持しながら処理する力とは?

第5回目となる今回は、「処理速度」の指標を取り上げます。

「この指標で何がわかるのか」
「結果をどう読み取ればいいのか」

をできるだけわかりやすくお伝えします。

そもそも「処理速度(PSI)」とは?

そもそも「処理速度」指標って何を測っているのでしょうか。
「ワーキングメモリー」同様に、学習場面(特に授業中など)に特に関わりが深いものであるため、聞いたことがある方も多いかもしれません。

処理速度とは、視覚情報を効率的かつ正確に処理する力であり、日常の課題遂行のスピードや作業効率に影響する指標です。

簡単に言えば、目で見た情報を処理する正確さやスピードを評価している指標です。
他にも、手と目を動かして素早く作業できるかなど、効率よく対応できるのかといったスキルも見ることができます。

処理速度が高いと・・・

  • 効率よく作業する力がある
  • 板書をノートへ写すのに苦労しにくい
  • 単純作業が得意
  • 一定の集中力を保って行動できる

処理速度が高い場合には、単純で明確な作業を一定のペースで進める力が強く、板書やプリント学習など「量とスピード」が求められる場面で力を発揮しやすいかもしれません。

しかし注意すべき点として、ミスが0とは限りませんし、「深く考える力」はまた別ですので、それが得意とも限りません。
その他にも、「板書をノートへ写すのに苦労しにくい」ことが多いかもしれませんが、実際には書字の影響も受けるため「処理速度」指標単独で判断すべきではありません。
また集中力についても、あくまでも一定の集中力、すなわち同じリズムで続けられるということを意味しており、「長時間集中できる」こととはまた別です。

本シリーズにおいても何度も述べてきていますが、このように他の能力と合わせてみると、特徴も違った見え方をするものです。
他の指標含め、普段の様子などから総合的に判断する必要があります。

処理速度が低いと・・・

  • 集中力が続きにくい(同じ作業を一定のスピードで続けるのが苦手)
  • 物事を素早く処理することが苦手
  • 板書をノートへ写すのが苦手
  • 時間制限のある時に苦労しやすい

処理速度が苦手な場合は、作業の正確さや理解力があっても、一定のスピードで進めることや時間制限のある場面に負荷がかかりやすくなります。
学校での学習場面を思い浮かべてみると、思い当たることが多いかもしれませんね。

本人の他の考慮しながら対応策(支援策)を検討していくことが肝要です。
例えば、焦らされず、作業量や時間に配慮したり、手本を近くにもってくるといった環境的配慮によって本人の力が発揮されやすくなるかもしれません。

まとめ

今回はWISC-Vの指標の一つ、「処理速度」について詳しく見てきました。
今回まで「WISC-V指標解説シリーズ」として全5回解説してきました。
何となく各指標が測っているものについて伝わっていましたら幸いです。

WISCをはじめとして、心理検査は受けて終わりではありません。
大切なのは結果をどう活かしていくかです。

sunow (スノー)におけるWISCでは、ご本人の強みや課題を整理して、今後の学びや生活にどう結びつけるかを丁寧に考えていきます。
もちろん各指標についてのご質問等にも丁寧にお答えいたします。

今後もまた別視点でWISCについての解説記事をアップしていきますので、ぜひご覧ください。

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