普段の行動の様子や自分に合った学び方などは、子どもによって本当にさまざまです。
WISC-V(ウィスク・ファイブ)は、そうした子どもの得意や不得意をより立体的に理解するための心理検査(知能検査)です。
※WISCについての概要はこちらの記事をご覧ください。
WISC(WISC-V)とは?—子どもの得意・不得意がわかる心理検査の基礎と活用
このブログシリーズでは、WISC-Vを構成する5つの指標:
- 言語理解
- 視空間
- 流動性推理
- ワーキングメモリー
- 処理速度
についてわかりやすく解説していきます。
「何がわかるの?」「どう生かせるの?」「結果をどう見ればいいの?」
と気になっている方にとって、少しでも理解の手がかりになれば幸いです。

第1回となる今回は、「言語理解」についてです。
「この指標で何がわかるのか」
「結果をどう読み取ればいいのか」
をできるだけわかりやすくお伝えします。
そもそも「言語理解(VCI)」とは?

WISC-Vはでは5つの指標によって評価されます。
ざっくり言えば、認知能力を5つの領域に分類して評価しているイメージです。
その中の「言語理解」という指標が評価しているのは、簡潔に言えば、言語を使って理解・推論する力です。語彙力や聴覚的理解力、説明力とも言えるかもしれません。
「具体的にどういう力?」と思いますよね。
すなわち、子どもがどのくらい言葉を知っていて、その言葉を相手に分かるように説明するための理解力や考える力を測っている指標です。
また、そうした言葉の表面的な意味理解だけでなく、言葉の本質を捉え、概念をする力があるかを測ることで、課題解決する力があるのかを見ることもできます。
言語理解が高いと・・・
では、その言語理解が高いと一体どんな特徴があるのでしょうか。
簡単にまとめると、例えばこんなことが言えそうです。
- 指示を的確に理解しやすい
- 質問の意図を理解しやすい
- 相手に合わせて説明することができる
- 知識が豊富である
- 作文が得意である(書字の力とは別)
もちろんこれだけはありませんし、他の能力とあわせて見ると、全く同じ特徴があるとは限りません。
だからこそ、WISCにおいて5つの指標で見ることが大切なのです。
言語理解が低いと・・・
次は逆に言語理解が低い場合を見てみましょう。
例えばこんな特徴が考えられます。
- 会話の内容が抽象的になりやすい
- 相手の話を理解するのが苦手
- 文章読解が苦手になりやすい
- 習ったことを応用することが難しい
- 語彙が少なく感じられる
先にも述べましたが、一つの指標だけでは特徴を断定できず、他の能力との組み合わせによってどう見えるかは大きく変わります。
総合的に把握しつつ、他の能力を活かしながら補うことや、できることを伸ばしていくことなど、さまざまな方向で検討していくと良いでしょう。
まとめ
今回はWISC-Vの指標の一つ、「言語理解」について詳しく見てきました。
WISCをはじめとして、心理検査は受けて終わりではありません。
大切なのは結果をどう活かしていくかです。
sunow (スノー)におけるWISCでは、ご本人の強みや課題を整理して、今後の学びや生活にどう結びつけるかを丁寧に考えていきます。
次回のシリーズでは「視空間」について取り上げます。
どうぞお楽しみに!

sunowでのWISCについての詳細はこちらからご覧ください。
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