不登校が続く中で、「フリースクールには興味があるけれど、通うのは少しハードルが高い」と感じる方も多いことでしょう。
そんな方に注目されているのが、オンライン対応のフリースクールです。
オンラインのフリースクールは、自宅にいながら学びや人とのつながりを得られる新しい学びの形です。
外出が難しい場合でも、安心して少しずつ社会と関わる機会を得られるのが、オンラインフリースクール。
そんなオンライン型フリースクールについて、今回はまとめてみたいと思います。
フリースクールとは:学校外の学び・居場所支援の場
まず、フリースクールとは、学校に行かない子どもたちが自分らしく学び、安心して過ごせる民間の学び場です。
学習のサポートだけでなく、子どもが「自分のペースで安心して過ごせること」を大切にしている点が特徴です。
(関連記事:フリースクールとは?学校に代わる新たな学びの場と可能性)
オンラインフリースクールの特徴

オンライン型のフリースクールでは、Zoomをはじめとしたビデオツールを使って授業や交流を行います。
またバーチャル空間に校舎があり、一人一人がアバターを通して交流するなど、メタバース教室を利用しているところも増えています。
自宅からアクセスできるため、地理的な制約がなく、全国どこからでも参加が可能です。
カメラOFFでの参加や、チャットのみの関わりなど、本人の状況に合わせて段階的に関わりを広げられる仕組みも整っています。
もちろんメタバース教室でアバターを通した交流であれば、参加のハードルも下がるかもしれません。
通学型(対面型)との違い
通学型では基本的に対面の交流が中心ですが、オンライン型は安心感と柔軟性が最大の強みです。
最近では、オンラインと対面を組み合わせたハイブリッド型のフリースクールも増えており、本人の状態に応じて選択できるようになっています。
どんな子にとってオンラインフリースクールは良い?
オンラインのフリースクールは、「学校に行っていないけれど、少しずつ何か始めたい」と思っているお子さんに特に向いています。
一人一人状況が当然異なるため、一概には言えませんが、例えば朝がつらい、体調が安定しない、生活リズムの乱れがあるなどの場合に、自宅から参加できるオンライン型は最初のステップとしても有効と言えるでしょう。
参加の仕方も短時間からの参加やカメラOFFでの参加、アバターを通した交流なども可能です。
オンラインなら、画面越しという距離感があることで、心理的なハードルを下げながら交流することができます。
他者との交流だけでなく、学習面においても負担を調整しながら無理をせず、安心できる範囲で一歩ずつ参加できるのが大きな利点の一つです。
また、もう一つの大きな利点として、先にも述べましたが、場所を選ばないことが挙げられます。
自分の住んでいる地域や、通える範囲内にフリースクールがないという場合も多いことでしょう。
仮にあったとしても、そこが本人に合っているかどうかは別の問題です。
フリースクールの数は増えているとはいえ、不登校の現状を見るとまだまだ足りていないと言えます。
地域差があることも否めません。
「フリースクールには行きたい」「とにかく一歩踏み出したい」
そう願うお子さんにとって、地理的な制約を受けず、ネット環境さえ整っていれば参加することが可能なオンラインフリースクールは、選択肢の一つとして検討することができます。

オンラインフリースクールのメリット
オンライン型のフリースクール独自のメリットをいくつか紹介します。
自宅から“安全に”アクセス:外出負荷が低い
自宅から参加できるため、登校への不安や緊張を感じにくいことや、移動時間がかからないことはメリットと言えるでしょう。
継続しやすい仕組み(短時間×頻度/段階的ステップ)
短時間から始められるなど、自分の生活リズムに合わせて参加したり、もしくは徐々に自分のリズムを整えていくことができる点もメリットです。
地域を超えた出会い:興味関心でつながるコミュニティ
全国の子どもたちがオンラインで集うため、住んでいる場所に関係なく、共通の興味や価値観をもつ仲間と出会うことができます。
しかし、そのフリースクールがどのようなタイプのフリースクールかはあらかじめ確認しておきましょう。
上記のように生徒同士が繋がれるようなオンラインでの場を提供しているところもあれば、主に個別対応をしているフリースクールもあります。
オンラインフリースクールのデメリット
オンラインフリースクールの考えられるデメリットについても紹介します。

自己管理が求められる
オンラインフリースクールは、すでに述べたように自由度が高く、柔軟に参加することが可能です。
一方で、参加するしないや、学習を進める進めないについても自己管理が求められる場面も多いことでしょう。
こうした部分についてどの程度のサポートを受けられるかについては、あらかじめフリースクールに確認すると良いでしょう。
対面と比べてリアルな対人関係を築きにくい
オンラインでは、画面越しの関わりが中心となるため、リアルな対人関係の経験を積む機会はどうしても限られます。
そのため、対面のフリースクールと比べると、場の空気を読む力や社会的スキル(協働・非言語的なやり取りなど)を学ぶ機会は限定されがちです。
ただし、オンラインでも少人数での双方向的な関わりや、オフラインイベント・個別面談などのリアルな場での接点を段階的に取り入れる工夫によって、そういった機会を補うことが可能です。
重要なのは、本人の「今できる関わり方」から始めて、少しずつ現実の人間関係に橋をかけていくことと言えるでしょう。
オンラインフリースクール選びのポイント
現在はオンライン型のフリースクールも多様に展開されています。
選ぶ際には以下の点を参考にしてみてください。
- 個別のサポートがどの程度あるか
 - 活動内容や学習内容、またスケジュールが本人にあっていそうか
 - 運営体制やスタッフの専門性
 - 料金形態や教材、端末条件など
 - 情報セキュリティとプライバシールール
 
上記を参考にしつつ、少しでも気になることについては事前に質問してみましょう。
まとめ:最小の一歩から始めよう

今回はオンライン型のフリースクールについて見てきました。
オンラインのフリースクールは、フリースクールに通うのが難しかったり、外に出るのが難しかったりする子どもたちにとっての“第一歩”となり得ます。
無理なく関われる環境で、少しずつ「安心」と「自信」を取り戻すことを期待できるでしょう。
まずは、気になるスクールに相談してみることから始めると良いかもしれません。
うまくいかない日があっても大丈夫。
小さな動きを積み重ねていくことが、何よりの成長です。
そんな一歩を応援する場として、sunow (スノー)もあります。
sunowは東京都目黒区に位置する対面型のフリースクールですが、皆さんの一歩を支える場として日々活動しています。