前回の記事では、カウンセリングの目的や効果など、大まかな理解と考え方について見てきました。
引き続き今回は、カウンセリングを実際に受ける際の流れや進み方、構造など、より詳細な部分における大切なことについてまとめていきたいと思います。
(関連記事:カウンセリングとは? – 基本的な理解と考え方-)

カウンセリングの構造
カウンセリングにおいては枠組みがとても大切と言われています。
この枠組みは治療構造とも呼ばれ、要するにカウンセリングを行う際の基本設定のようなものです。
その中には頻度や時間、曜日、場所や料金等が含まれます。
一見そうした構造よりも「何を話すか」が重要では?と思うかもしれません。
しかしその「何を話すか」のために、こうした基本のルール、枠組みは非常に重要です。
毎週、もしくは隔週など同じ頻度で、同じ曜日、同じ時間、同じ場所、同じ料金でカウンセリングを受けることでそれ自体が習慣化され、自分の内面に安心して目を向けることができます。
その時間だけは「自分に目を向ける時間」になるといったイメージでしょうか。
いずれにせよ、こうした日常生活とはある意味切り離された、非日常の空間においてこそ安心して自分のことを話したり、探ったりすることができると言えます。
もちろん、秘密を守るといったカウンセラーとクライエント間における基本ルールも枠組みには含まれています。
(カウンセリング場面における守秘義務については制限付きであるため、カウンセラーとしてはこうした説明もきちんと行い、インフォームドコンセントを得ておくことが重要です。)
初回までの流れと当日の進み方
では実際にカウンセリングを受けることになった場合には、どのように進んでいくのでしょうか。
少しでもイメージができるように、ここでは一つの例としてsunow(スノー)でカウンセリングを受ける場合も想定してご紹介します。
予約と問診票
多くの場合、カウンセリングは電話やネットでの予約から始まります。
sunowも例外ではなく、予約サイトからのご予約をお願いしております。
その後、事前に問診票の記入をお願いされる場合もあります。
これは、あらかじめ相談者様の困りごとや悩みごとなどの主訴を確認し、スムーズに初回の面接を進めるためです。
sunowにおいても上記の理由から、事前に問診票への回答をお願いしております。
予約サイトからのご予約後、確認の返信メッセージに問診票のURLが添付されていますので、そちらからネット上でも回答をお願いしております。
しかし、問診票を記入した時と実際の面接日が何日か空いていて、話したいことが変化したということもあるかもしれません。
または、面接日当日に予期せぬことが起こり、そのことを相談したいといった可能性もあります。
そういったことももちろん問題ありません。
カウンセラーにそのことも含めて伝えてみるといいでしょう。
そう上でどんな内容をテーマにしていくか、一緒に考えていけば良いと思います。
初回面接
いよいよ初回面接です。
予約の時間に対面であれば相談室へ行き、オンラインであれば所定の方法でカウンセリングに参加します。
対面で行う際には、その相談室に待合室があるのかはあらかじめ確認しておくといいでしょう。
sunowには待合室はございませんので、予約時間での来談をお願いしております。
また、オンラインカウンセリングの場合には、予約時間前にZoomのURLを予約時に登録されたメールアドレス宛に送りますので、そちらからご入室いただきます。
初回面接はインテーク面接とも呼ばれ、抱えている悩みごとや困りごとについて詳しくお話を伺い、その後の方向性を検討していきます。
内容によっては一度の面接では足りず、このアセスメントに数回かかることもありますし、必要に応じて医療機関をはじめとしたその他の支援機関をご紹介することもあり得ます。

初回面接後
こうした初回面接を経て、継続していく際には毎週なのか、隔週なのか、または月1回なのかなどの頻度、曜日や時間等を相談していくことになります。
数回で一区切りする場合もあれば、長期的に続くこともあります。
sunowにおいても、初回面接で相談者様の悩みごとを丁寧に伺い、その背景にはどのようなものがあるのかカウンセラーは見立て(アセスメント)、現段階での理解とその後の大まかな進め方を伝え、その後の継続面接について相談しています。
頻度については、はじめは毎週もしくは隔週程度で来談することを勧めており、その後様子を見ながら頻度を下げていくという場合が多いと感じます。
前回の記事で、カウンセリングの目的としては大きく2つに分けられることを紹介しました。
「現実的な問題の対処」と「自分らしさの探索」です。
前者の場合には、目の前にある問題に対処することがカウンセリングのゴールとなるため、その進捗度合いによっては比較的短期で終結することもあれば、当然、中長期的に継続する場合もあります。
一方、後者の「自分らしさの探索」がカウンセリングの目的の場合には、自分自身について振り返り、自分の内面を見つめて模索し、自分らしい生き方を見つけていくプロセスを歩むことになります。
なかなか明確なゴール設定を即座にすることは難しく、長期的に行われることが多いようです。
カウンセラーとの信頼関係を築き、自分らしさを発見するための長期の、創造的なプロセスと言えるでしょう。
当然これら2つの目的は混ざり合っていることも多く、現実的な問題が落ち着いたら、自分自身の模索という新たなテーマが上がってくることも少なくありません。
そういう意味で常にきれいに切り分けられるものではないというのは大前提です。
いずれにしても、最終的には自分が納得いくところまで続けていくというのがベストと考えられます。
よくある不安や疑問Q&A
とはいってもカウンセリングについて不安や疑問を抱くことはあると思います。
ここでは、よくある不安や疑問についてQ&A形式でお答えします。

Q:うまく話せるか不安です。
A:うまく説明する自信がなくても、話がまとまらなくても大丈夫です。カウンセラーがあなたの思いに丁寧に耳を傾けてくれるでしょう。もし、それでもうまく話せるか不安であれば、その不安な気持ちそのものを話してみましょう。きっとその思いに寄り添ってくれるはずです。
Q:効果はどのくらいで感じるのでしょうか?
A:相談内容によって異なり、また個人差もあります。数回で気持ちが楽になることもいれば、じっくり時間をかける場合もあります。しかし、一回でも自分の思いを思いのまま話すことによって心が軽くなり、すっきりしたと実感することもあるでしょう。
Q:どのくらいの期間受けるものでしょうか?
A:回数や頻度については、扱うテーマによって大きく変わります。短期で数回で終わることもあれば、数年単位でかかることもあります。このあたりの見通しについても、カウンセラーと相談してみると良いでしょう。
Q:家族や職場に知られたくありません。
A:守秘義務があり、カウンセラーが話を本人の同意なしに第三者に共有することは原則ありません。しかし、この守秘義務には例外状況が存在し、例えば自分や他者を傷つけてしまう恐れがある場合などには、守秘義務より保護義務が優先されます。その他どういった場合に情報が開示される可能性があるのかについては、カウンセラーにきちんと確認されるといいと思います。(基本的にはカウンセラーから説明されるはずです。)
まとめ
今回はカウンセリングを実際に受ける際の流れや構造等について、sunowの場合を具体例に挙げて見てきました。
いかがでしたでしょうか。
生きている中で悩みや不安、どうしようもない苦しさを抱えることは誰しもあります。
そういった際に一人で抱えるのではなく、心の専門家に頼ってみる、カウンセリングを受けてみることも一つの選択肢です。
少しでもカウンセリングのイメージが湧き、身近なものに感じてくれていれば幸いです。

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